西行法師とは?
【解説】
西行法師とは平安期から鎌倉時代初期にかけて活躍した歌人・僧侶(生1118、没1190)。俗名は佐藤義清。
武家の生まれであり北面の武士として朝廷の警備を担当。23歳の時に出家し各地をまわる。
出家の理由については、親友の死や失恋など諸説あり。
出家後は吉野山にも頻繁に訪れ、山奥で可憐に咲く吉野桜をこよなく愛した。
西行は、桜の儚さと人間の死生観を重ね合わせた秀歌を数多く残し、日本人の美意識や人生観に大きな影響を与えたと言われる。特に
■願わくば 花の下にて春死なん その如月の望月の頃
(願いが叶うならば、春の桜の下で死んでみたい。如月の満月の頃に。)
■花に染む 心のいかで 残りけん 捨てはててきと 思う我身に
(この世への執着を捨てた筈なのに、桜の花を観ると心染められてしまうのはなぜだろう。)
などが有名である。
吉野山の奥千本エリアには、西行が住んでいたとされる西行庵があり、春になると周辺では数十本のヤマザクラがひっそりと花を咲かせる。秋には吉野山屈指の隠れ紅葉スポットとしても有名。
西行法師木造。水分神社にて。
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